軍隊では解決できない問題を別のアプローチで解決しようと、マイケル・ムーア監督がヨーロッパ諸国に乗り込み、他国のいいところを盗む(見習う)映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』
マイケル・ムーア監督がイタリアの次に訪れたのはフランス。
フランスにおけるキーワードは『給食と性教育』
未就学児の子を持つ親としては、
と願わずにはいられないシーンの連続。
とはいえ食育や性教育は学校だけに任せるものではありません。
マイケル・ムーア監督があぶりだす、子育て中の親が知っておくべきフランスの教育現場とは?
もくじ
小学校の給食がフルコース
本格フルコースという食育
円卓を囲み料理を待つ子どもたちの前に並べられる陶器の皿・ガラスのコップ・大人と同じシルバーセット。
子どもたちが使う器に割れ物の使用は避けたくなるところですが、正しく扱う方法を身につけるならば本物を使わなければということでしょうか。
料理の配膳はシェフが担当。皿を持って並ぶこともありません。
飲み物は水。レストランと同じです。
学校の冷蔵庫には様々なチーズが入っていて、子どもたちに人気なのはカマンベールチーズなんだとか。小学生にしてチーズの種類や味わいの違いがわかるって素敵。
いいチーズを子どもに食べさせるのはもったいないって思っちゃったりしますが、むしろ子どもの頃から本物を味わわせた方が味覚が磨かれそうですね。でもよくよく考えると、良いものだけを摂ることこそが本来のあるべき姿なんですけどね。
この日のメニューは4品のコース料理。
- ホタテのカレー風味/カレーソースは生クリーム入り
- ラム肉の串焼きとチキンのクスクス添え
- チーズ
- デザート
ちゃんとした生クリームを使ってるあたりもさすがです。
妻から「生クリーム買ってきて」と頼まれてスーパーで生クリームを探しますが、本物の生クリームってなかなか売ってませんよね。棚に並んでいるのはほとんどがホイップクリーム。生クリームは価格が高いからか、植物性脂肪や添加物を用いて作られた安価なホイップクリームしか置かれてないことがほとんど。
あとバターの代わりにマーガリンが使われていることが多すぎます。マーガリンはパンからお菓子まで幅広く使われています。マーガリンを摂取しない食生活はもはや不可能なくらい。見た目がおいしそうだなーと思っても裏の原材料のところにマーガリンと書かれていれば、僕はそっと棚に戻します。
月に1度のメニュー会議
シェフは月に1度、役人や栄養士と会議を開いてメニューを見直すそうです。
見た目・味・栄養の三拍子揃ったコース料理が給食で食べられるなんて、フランスの子どもたちがうらやましい限りです。
昼休みは短時間に食事を詰め込む時間でなく、授業の一貫であり、1時間かけて食事の正しいマナーを学びながら健康的な食事と給仕を楽しむのがフランス流。
ちなみにフランスの名が付けられたフレンチフライ(フライドポテト)は年に2回ほどしか出ないんだとか。
監督が持ち込んだ炭酸ジュースを勧められても、子どもたちは飲もうとしません。
さらに監督が用意したアメリカの給食の写真を見て、子どもたちは顔をしかめます。食欲をそそられない見た目に加えて、何の食材が使われているかが見えないメニューに対して「怖いわ」と答える子どもたちの意識の高さ。
体は食べ物で作られます。
その命の源である食べ物に対して高い意識を持てる教育を、全ての子どもたちが当たり前に受けられる環境ってすごくうらやましい。
ちなみにフランスの給食の1人あたりの予算はアメリカの給食より低いんだとか。最も貧しいとされる町の学校のメニューが紹介されましたが、それでも、
- タラのディルソース添え
- ビーフシチュー
- ムサカ(グラタン風の料理)
- 選べるデザート
- 日替わりチーズ
などなど、充実したメニューを食べている様子。
もちろん日本の給食環境も栄養士の方が栄養バランスを考えて作ってくれています。でも例えば福岡市の小学校の給食費が月額4200円で1食あたり243.15円(保護者負担は食材費のみ)であることを思えば、その費用でコース料理を期待するのはお門違いというもの。ならばどんな食材を選び、どう調理し、食べるのかは親が教えるしかありません。
僕は時間の余裕があるときは路面の青果店・鮮魚店・精肉店で買い物するようにしています。凝った料理はできませんが、どんな食材があって、どんな形をしていて、食べる時にはどう変化しているかを知るだけでも食材に対する意識は高まるんじゃないかと思ってます。
添加物うんぬんを気にしすぎても苦しいだけです。でも無頓着な親が無意識に子どもに摂らせてしまうのは無責任だな、とも思います。
とはいえ、大人だって学ぶ機会が少なかったわけですから、仕方のないことなのかもしれませんが。。。
高校の性教育での先生の言葉
今の性教育ってどんな内容なんでしょう。僕が学生の頃は、男女分かれての授業もあったような気がします。
映画に出てきた高校では男女が同じ教室で性教育の授業を受けていました。
そして先生は生徒たちに優しく語りかけます。
初めての性体験は生涯ずっと心に残るものです。相手の求めていることを察し、互いに与え合うのが愛の営みです。時間をかけて、してほしいことを相手に伝えましょう。
この後、避妊方法についても具体的なワードを出しながらディスカッションしていました。
こうあるべきだな、と思いましたよね。
→マイケル・ムーアの世界侵略のススメ/Amazonプライムビデオ
[…] […]