映画『とんかつDJアゲ太郎』感想｜気分もカラッとアゲられました！

北村匠海イケメン隠せない度：
伊藤健太郎クール度：
DJオイリーシーン再撮不可能度：
劇中音楽にアゲられちゃう度：
とんかつ食べたくなる度：

実写版『とんかつDJアゲ太郎』の試写会に行ってきました。

映画『君の膵臓をたべたい』以来ずっと気になり続けている北村匠海さんが主演を務めているにも関わらず(にも関わらずっていう言い方もアレですが)、“キミスイ感”が一切ないふざけたタイトルに一目惚れ。

とにかくタイトル買いというか、北村匠海演じるDJアゲ太郎をぜひとも観たいと思っていたら、ありがたいことに試写会のお話が。

そして試写会を待つまでの間に起こってしまった実写版DJオイリーの某事件。

お蔵入りになってしまうのではないかと危惧したものの、製作委員会が予定通りの公開を発表。

それを受けて試写会も予定通り行われ、無事に鑑賞することができました。

これまでも出演俳優の逮捕で映画やドラマの公開が中止・延期になることはありました。もしこれが初めてのケースであれば、批判的な声だけに耳を傾けて公開中止になっていたかもしれませんが、こういったことが繰り返される中で『映画は観る人の自由。公開してもいいのではないか』という空気が醸成されてきていたことも公開への後押しになったのではないかと思います。(こういったことが繰り返し起こっているのもどうかとは思いますが…)

で、実際に観てわかったのはとんかつDJアゲ太郎において、DJオイリーのシーンだけを撮り直すことは不可能だったということ。アゲ太郎の成長に欠かすことができない重要な役柄であり、登場シーンも多く、代役を立てたとしても“ほぼほぼ撮り直し”を強いられたはず。

それは時間的にも経済的にも制作サイドに負荷がかかりすぎる作業になるだろうし、そもそも他の共演者陣の素晴らしい演技がお蔵入りになることほど悲しいことはないので、無事に公開できてよかったというのが僕の率直な想いです。

世間的には“実写版DJオイリーが出ている映画”というレッテルを貼られてしまうかもしれませんが、多分、そんな先入観は見終わった時にはぶっ飛んでると思います。

客席はさながらクラブフロアと化し、DJアゲ太郎のDJプレイによってアゲアゲ状態のオーディエンスにとって、鑑賞後はもうこの映画に“まんまとカラッとアゲられた”ことしか頭に残っていないのではないかというくらいの爽快感です。

アゲ太郎がDJにのめり込んで行く中で、DJプレイととんかつを揚げる極意に共通点を見出す滑稽さ、しかし必ずしも無関係とは言い切れない“アゲる”ことの奥深さ。

そして、DJアゲ太郎を全力で支える友人たち、見守る家族、成長を促すライバルの存在。

ド素人DJアゲ太郎は最後にどんなDJプレイを魅せるのか、どんな結末を迎えるのか！？

これは冗談抜きでコロナ禍で落ち込んだ人の心を元気にしてくれる作品なのではないか、停滞した空気を浮揚…いやアゲてくれるのではないか、それだけのパワーを秘めた作品なのではないかと僕は感じました。

北村匠海さんもさることながら、DJ YASHIKIを演じる伊藤健太郎さんも最高にクールです。

DJアゲ太郎とDJ YASHIKIのDJバトルは必見です。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも感じたあの高揚感の再来です。

てっきり『キミのとんかつが食べたい』的なパロディもあるのかなぁなんてミーハーな気持ちでこの作品に臨んでしまった僕を、今はぶん殴ってやりたい気持ちです。