宮崎ポートパークで開催されたNTTドコモグループ総合防災訓練でMCをさせていただきました。
もしも南海トラフ巨大地震による甚大な被害が発生し、基地局などがダメージを受けてしまった場合にどのようにエリア・電波を復旧させるのか。
その多種多様な方法を生放送+生中継スタイルで会場の皆さんにお見せするというイベント。
僕はスタジオキャスター役を担当。神奈川工科大学情報学部教授の塩川茂樹先生、NTTドコモ九州支社ネットワーク部災害対策室長の山崎勉さんの解説でお届けしました。
中継リポーターはかつてKKB鹿児島放送『ぷらナビ+』でご一緒していた中西アナ。
ひさびさにぷらーす!!
心強い共演者とスタッフの皆さんのおかげで、イベント終了時には達成感と充実感に満たされる現場となりました!
もくじ
多岐にわたる
ドコモのエリア救済方法
通信障害の要因はさまざま
災害発生時に基地局が直接的なダメージを受けることもあれば、もし基地局が無事だったとしても伝送路が破損すれば情報は送れなくなるし、電気が止まれば基地局そのものが停止してしまいます。
基地局・伝送路・電線のどこにトラブルが発生したかによって、ドコモの対応も変わってくるわけですが、その方法もまた多岐にわたります。
船が基地局になる『船上基地局』
沿岸部の広範囲で基地局が被害を受けた想定訓練では、宮崎海洋高校の洋進丸が登場。機材を積んだ船が然るべき位置に錨泊し、衛星回線を使って広範囲にわたりエリアを救済してくれます。この協定は沖縄水産高校、天草拓心高校にも広がっているんだとか。海に囲まれた九州にとっては有効な救済方法です。
孤立集落にはヘリコプターによる避難所支援
ドコモは2022年7月に『災害時における被災者支援のための相互協力に関する協定』を赤十字飛行隊熊本支隊と締結。マルチチャージャーやWi-Fiルーターの輸送に加え、輸送中は空撮写真で被害状況を把握・共有。輸送と収集、一石二鳥の救済方法です。
海上保安庁の船で可搬型基地局を輸送
有人離島で電波が微弱の状況で定期航路を担っていたフェリーが破損してしまった場合を想定した訓練では、海上保安庁と連携。この日は『きりしま』が接岸し、運んできた資材で手際良く可搬型基地局を設営しエリアを救済してくれました。
災害対策車をヘリで輸送
停電後に稼働していた非常用電源も底をつき、基地局へ向かう道路も通行できない時には自衛隊のヘリコプターで災害対策車を宙吊りで運んでエリア救済するという方法も。写真で見るとコンパクトに見えなくもない災害対策車の重量は5トン。ゴトンと落っことしちゃ大変ですから、頑丈な器具、飛行時の姿勢・重量バランス、自衛隊の操縦テクニックによって安全輸送を実現しています。
ドローンで電波を中継
基地局が機能せず、車両の乗り入れも難しいエリアではドローンを活用。微弱電波があればそれを空中で受信、増幅して半径500メートルをエリア化できるんだとか。ドローンは地上のバッテリーと接続した状態で丸一日飛行可能です。
移動電源車・EV車による電源復旧
停電や電線の破損で基地局に電気が供給されない時には、移動電源車や一般のEV車を電源に稼働させることが可能。訓練では三菱アウトランダーPHEVを使用していましたが、トヨタの電源対応車両や日産リーフも活用できるんだとか。基地局を稼働させられるくらいなので、一般家庭においてもEV車・ハイブリッド車は活躍してくれそうです。
ドコモ回線という安心感
最近は格安SIMの存在感も高まっていますが、いずれも大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。ご利用中のサービスがどのキャリアのネットワークを利用しているのかを把握できていますか?もしドコモやahamo、ドコモ回線の格安SIMを使っているなら、災害時にも今回記事内で紹介した方法や、その他さまざまな手段・技術でエリア救済を目指してくれる体制があるということです。
どのキャリアを選ぶかも重要ですし、スマホ関連の話で言えば、モバイルバッテリーや充電器を持っておくことはもちろん、モバイルバッテリーを満充電にしておくこと、スマホのバッテリーが劣化しているならバッテリー交換してもいいし、バッテリー容量の大きな新しいスマホに買い替えてもいいと思います。
訓練を通じてキャリアの備え、個人の備えの重要性を再確認できましたし、万全に備えつつもこれらの訓練が訓練だけで済むことこそが最良というドコモ関係者の皆さんの誠実な想いに触れることができました。