映画『散り椿』主演・岡田准一さんと木村大作監督が今日感テレビに生出演してくださったあと、また別枠でインタビュー時間をいただいたんです。放送できなかった部分も含めて、より映画をふくよかに感じさせてくれる岡田さんと木村監督の言葉を書き起こしました。。。
#残り香って書きましたが、特に香りが残っているわけじゃないのに感じさせる余韻たるや。。。
もくじ
RKB会議室にて
ハル:今日は生放送お疲れ様でした!
木村大作監督:ありがとうございます。
岡田准一さん:ありがとうございます。
ハル:今日感テレビはありがたいことに、生出演をしていただいた上にインタビュー時間をいただけたということで、福岡の岡田准一世代としては本当に嬉しいです!
岡田さん:同じ年なんですよ。
監督:あ、そう。
ハル:誕生日2日違いなんです♡
岡田准一さん:1980年11月18日生まれ
僕:1980年11月20日生まれ
誕生日が近いだけでうれしいっていう。
木村大作監督・2時間生出演
ハル:監督は2時間出突っ張りでお疲れではないですか?
監督:疲れたよ!あんまり話をしないで座ってるってのは大変だよ(笑)
ハル:溜め込んでいらっしゃっるままのものがあれば、ここで全て吐き出していただいて。
監督:あー。。。。
ハル:そんなに溜まってはなかった感じですか?
岡田さん:でもコメンテーター楽しんでされてましたよね?
監督:いやー、話題がなかなかコメントしにくいやつばっかりで(笑)
ハル:じゃあ話しやすいネタで。インスタを始められたじゃないですか?いかがですか?
監督:いやー大変だよね。自撮りなんか手が震えちゃうしさ、ふふ。
ハル:いや、ブレてなかったですよ。
監督:瞬間はちゃんとね。
ハル:キャメラマンとしては。
監督:キャメラマンだからちゃんと撮れるってもんじゃないよ、あれは。別もんだよあれは。
ハル:監督のインスタを見ていて楽しいのが、散り椿のこともわかりますし、岡田さんもひょっこりはんで出てらっしゃいますよね?
岡田さん:そうですね。大作さんがされているものには出させていただきたいので。ふふ。
ハル:お二人は映画『追憶』でもお仕事をされてますし、気心知れた仲という感じですか。
監督:そう思ってますけどね。
岡田さん:はい。
ハル:年の差はどのくらいですか?
監督:42ぐらいかな。
ハル:岡田さん、監督との仕事は初めは緊張もおありだったと思いますが今はいかがですか?
岡田さん:すごく言い方は悪いですけど(笑)友達になりたいと思ってますよ!大先輩ですから。大作さんをヒリヒリさせる存在にはなりたいと思って現場に臨んでいます。
【#散り椿 登場人物】
◆瓜生 新兵衛(うりゅう しんべえ)
― #岡田准一かつての平山道場・四天王の一人
藩の不正を訴え出たが認められず、故郷・扇野藩を出るが、妻・篠(#麻生久美子)の願いを叶えるため帰郷する pic.twitter.com/yNGA8JPl9V
— 映画「散り椿」公式 (@chiritsubaki928) September 5, 2018
ハル:監督も散り椿ではかなりヒリヒリさせられたんじゃないですか?
監督:僕の方がそういう気持ちは強いと思いますよ。これだけ年が離れていて、言えば公式では僕は岡田さんで通してるけど、普段は准ちゃんだからね。そういう感じでやってるんですけど、あんまり俳優と監督がベタベタするのもやだしね。でも、尊敬してるよ。年の差を超えて。散り椿はいろんな意味で岡田さんのアドバイスがあって、セリフのこととか、お芝居の質の問題とかね。それを僕がいい言葉でいえば、心広く受け止めてからやったっていうことでね。ある意味、本当に助かったというか。
ハル:エンドロールが手書きじゃないですか。それを見ていると皆さんで作品を作ってらっしゃるんだなというのがより伝わってくるのと、岡田さんの名前が何度か(劇場で数えてみてください)出てくるじゃないですか。そのあたりから貢献度もすごかったんだろうなと感じました。
岡田さん:そうですねー。名前出すことになっちゃって(笑)もともとは出す予定じゃなくて。出さないでくださいって言ってたんですけど大作さんが「やったんだったら出せ!」とおっしゃって。
監督:事実だからね。
ハル:散り椿は時代劇という側面と、ラブストーリーとしての色も濃いですね。
岡田さん:やっぱり愛の物語ですので、そこは見ていただきたいですね。
監督:僕が愛を語るとね、宣伝部から「木村さんは愛の話をしないでくれ」って言われるんですよ。僕はこの世界ではコワモテで名前が知れてるから『木村さんが突然愛とか言い出すと「ふぅ〜」ってなっちゃうんで』ってね。
ハル:逆に岡田さんに聞きたいんですが、現場では監督はロマンチストなんですか?
岡田さん:いやー、ものすごくロマンチストですよ。
ハル:印象に残ってるロマンチックエピソードってありますか?
岡田さん:画を見ていただくだけでも色っぽいじゃないですか。艶っぽい。
監督:一番最初に初号っていうのを見たときに岡田さんに感想言ってくれって言ったら「ものすごい艶がある」って。その言葉は好きですよ。それは色っぽいってことでもあるし。
ハル:冒頭のシーンがいい意味で、岡田さんが武士としてというか侍然としていないところがまた魅力だなと感じました。麻生久美子さん演じる篠との距離感であるとか。時代劇としては新鮮に感じました。
【#散り椿 登場人物】
◆瓜生 篠(うりゅう しの)
― #麻生久美子新兵衛(#岡田准一)の妻
病に倒れ、新兵衛に最期の願いを託す pic.twitter.com/pjVpepQsfd— 映画「散り椿」公式 (@chiritsubaki928) September 9, 2018
岡田さん:新兵衛はお城勤めじゃない野に放たれた寂しさみたいなものを持ってる人。でも麻生さんとのシーンは大作さんが「近づけ」と。「他のことはどうでもいいから近づけ」と(笑)
監督:時代劇の所作で言ったら膝と膝がぶつかるくらいまでしか寄れないじゃないですか。そんなのはどうでもいいから顔をこのぐらいまで近づけたいんだ、と。で、工夫してくれて、あぐらでちょっと足を投げ出して。股の間に麻生さんが入るくらいまでね。それであの距離感。あの距離感じゃないとあのシーンは成り立たないと僕は思ってますよ。
ハル:岡田さんのテリトリーに麻生さんが確実に入っている、これが時代劇では見られない男女の距離感だなと。そこからまずグッと引き込まれました。。。
エピソードトーク/これは大変だった話
ハル:撮影中これは大変だったことはありますか?
監督:僕ね、最終日のラストカット。このカットを撮ったらこの映画が終わるっていう時に倒れたんですよ。現場で。その前まではワーワーやってたんだけど、あーこのカット撮ったら終わりだっていう安心感と、その日雨が降ってビショビショだったんですよ、低体温かなんかわからないんだけど。こりゃいかんと思って輪から外れて。本当に体調を崩してしまってみんなに迷惑かけたんですよ。そん時に思ってたのは、これで逝ったらね、この映画絶対ヒットするな、と。
ハル:なんて事をおっしゃるんですか!笑
監督:横になってたんだけど、製作の若いのが小瓶の栄養剤あるじゃないですか。あれを2本買ってきたんですよ。高いやつを。1本3000円くらいするやつを。それで「木村さんこれ飲んでみますか?」って言われて飲んでみたらケロッと治っちゃった。
ハル:ぜひこれからもご自身でバンバン宣伝していただいて(笑)
ハル:岡田さんも大変だったと思いますが、殺陣の動きが直前に変わったりという事で周りの方も大変だったのかなぁと。
岡田さん:あー、そうですね。僕はフリをつけているので間違えることはない。でも周りの方は大変ですよね。シーンの最後のほうの人とか。映画のクライマックスで長く戦うシーンがあるじゃないですか。一発勝負なのであとで斬られる人ほどミスれない!という思いがどんどん強くなるわけですよね。なので最後のほうはすごい緊張感があるんですよ(笑)その人たちはホント大変だったと思います。
ハル:殺陣の間に手刀が入ったり、斬らずに投げ飛ばしたりというシーンもあるじゃないですか。あのあたりも岡田さんの演出が入ってるんですか?
岡田さん:そうですね。
ハル:巴投げも!?
岡田さん:そうですね(笑)あれはいくつか見せたんですよ大作さんに。大作さんが「やっぱり巴投げが一番いい」って言って。
監督:巴投げが一番見たこと無いしね、でもそれは実戦でありえるしね。リアリティ。ぜひそれでやってくれとお願いしました。それも階段のとこで!
ハル:投げられた方も大変でしたね(笑)それと、新兵衛を演じるにあたり、どのくらい刀を振り込んで臨まれたんですか?刀の先まで岡田さんの体の一部であるかのように操っていらっしゃいました。
岡田さん:武術は昔からやっているので、その中での動きですね。今回のためにというよりも昔からのもの。役柄に合わせた動きというのを考えていくんですけどね。
ハル:お一人で居合を見せるシーンもあります。あれもご自身の中から湧き上がってくる動きなんですか?
岡田さん:そうですね、そのシーンとかは特に動きを決めずに、撮影3日目くらいですかね、勝手に動きますと。そしたら大作さんが「自由に撮ります」と。
ハル:監督、岡田さんの美しさもありますし、季節が移ろう時に日本の美しいシーンがたくさん映し出されます。この映画のために撮られたんですか?
監督:当然そうなんだけど、僕の場合は過去30年くらいいろんな場所でこんな情景は撮れないなっていうものを持ってるんですよ。ライブラリー。当然この映画に合わせて撮ったものもあるけど、自分の中からこっちの方が合ってるなっていうのは引き出して使ってる場合がある。個人でそういうのを持ってる人は誰もいないよ!NHKよりも持ってるからね!!
ハル:日本で一番ですね!
監督:そうそうそうそう。
エピソードトーク/知らなかった…
ハル:それぞれに知らなかった一面もぜひ聞いて見たいのですが。
監督:僕の方は時代劇の所作とかいうものを、一応のことはわかってるんだけど、そんなことにこだわってたら新しい時代劇にならないと思ったわけ。自分も現代に生きてるけど、僕が江戸時代に戻ったら自分だったらこういう行動をするだろうなという事をやってもらってるわけ。所作的にはおかしいところがいっぱいあるんですよ。それを無視して。。。。あれ?答えになってねぇか(笑)要するに、知らなかったこともあるな。池松壮亮さんが殿様のところに走っていくシーンがあるじゃないですか、お白洲。あれ、わざわざ砂利を買ってきて敷き詰めたんだけどね。あれ、走って行ってるわけ。城中で殿様に会う時にあんな走った姿はいけないって頭の中ではわかってるけど、緊急なんだから、感情優先。所作は忘れろ!みたいなことでいろんなことやってるな。
ハル:撮影中はかなりお食事にも行かれたそうですが。
監督:毎晩だよ!
岡田さん:毎晩です(笑)
ハル:お酒もそこにはあるんですか。
岡田さん:ありますあります。
ハル:豪華な出演陣ですがどんなメンバーで行かれるんですか。
監督:多い時で10人くらいかな。スタッフも何人かいるからね。スタッフと俳優さんと。そこのロケ地に来てる人はみんなで行くっていう。
ハル:カメラが回っていないところでの監督はどんな方ですか?
岡田さん:富山では僕たちより知名度が高いですし、本当にご飯とかもスタッフ分とかも大作さんが払ってたりするし、男前ですよね。
監督:(そういったことが)映画作りに大切だと思ってるところがあるんですよ。それぞれが散り散りになって、また現場で会うっていう。でも毎晩会うということは気楽な感じになってるし、そういうことは映画作りに絶対に必要なことだと思ってるから。そういうことはやりますね。奥田(瑛二)さんとかは飲むとすごいんですよ。
ハル:すごそうです。
監督:そういう人が飲みすぎてる時は「奥田さんもうやめろ!」っていう形で抑える時はあるな。奥田さんが「わかりました」と。
ハル:岡田さんもそんなシーンをご覧になってたんですか?
岡田さん:もちろん。奥田さんが言う事聞いてると思って。すごいなって(笑)
ハル:覗き見してみたいようなお食事会ですね。でもそれだけ熱い時間を過ごすと、撮影が終わると寂しくなりませんか。
岡田さん:そうですね。やっぱり濃い、大作さんならではの現場作りというか。現場で演出するよりも期間中全部を演出するんですよね。映画自体を演出したり撮影期間中現場だけじゃなくて、ちょっとしたコミュニケーションを取るところからも映画を作られているので、全部が「映画って楽しいだろ!」っていう。愛が詰まっていると言うか。
ハル:やっぱり愛なんですね。
監督:映画愛だけどね。やっぱり黒澤さんも毎晩俳優さんとスタッフ何人かとご飯食べるのを俺見てるからね。そこでワーワー過ごして、次の日にはそう言う形で現場に来るっていうね。そういう映画作りを見てきたからそこに近づきたいなっていう気持ちもあるんだけどね。
岡田さん:大作さんの現場って素晴らしいので、たくさんの人に見てもらって、もっと大作さんが映画を撮れる環境で。僕が出てようが出ていまいが、もっと大作さんを浴びた方がいいですよね。
ハル:セリフの伏線が張られていて最後に回収されたところとかキュンキュンでした。浴びました。黒木華さんが演じる里美が途中あるセリフを言うんですけど、途中まで違う意味で捉えてたんですけど最後にスッと思いが露わになるところとか。
【#散り椿 登場人物】
◆坂下 里美(さかした さとみ)
― #黒木華新兵衛(#岡田准一)の
妻・篠(#麻生久美子)の妹 pic.twitter.com/4YcBLucxn7— 映画「散り椿」公式 (@chiritsubaki928) September 7, 2018
監督:「おやさしすぎる」ってところかな?
ハル:「胸の中に。。。」っていうところです。
監督:あぁ。そういう意味では妻・篠との別れがあって、その約束を守って故郷に戻るってところから始まってるじゃないですか。そこには妹である里美がいて。一番最初に言ったのは「篠との愛もあるけど里美との愛もあるんだ」と。そのラブロマンスも撮っていきたいんだと岡田さんには話したんですけどね。まぁ、そういう映画になるよね。
エピソードトーク/福岡に来たからには…
岡田さん:やっぱり食事は楽しみですよね。
ハル:ゆっくり行かれる時間はあるんですか?
岡田さん:あります!今晩。
ハル:何系ですか?具体的じゃなくてアバウトでいいです。こっちで妄想していきますので。博多の何が岡田さんのタンパク質になるんだろうか、筋肉繊維になるんだろうかっていう。
岡田さん:今日は水炊きですかね。
ハル:おー良質!
岡田さん:良質なタンパク質をいただきます(笑)
ハル:ありがとうございます。。。男が言うのもなんですけど、いい体ですよね。
岡田さん:いやいやいや、全然全然。今日も良質なタンパク質摂ったんで(笑)
ハル:ジャケットが羨ましいなって。
岡田さん:なんですかそれ。いやー似合ってますよ。スカーフ?
ハル:岡田さんと会えるということでおしゃれしてきました。ちょっとだけ、せっかく会えたので触らせてもらっていいですか?(←なんで?笑)
岡田さん:そんな(服の上からじゃ鍛え具合は)わかんないですよ^^;
ハル:いいですか?。。。いや、すごい。
岡田さん:そんなに。。。^^;
ハル:すごい。ほんとに。
岡田さん:そんなわかります?^^;
ハル:。。。
岡田さん:そんな^^;
ハル:すごい、本当にすごい!ダビデ像ですね!!
ハル:監督が楽しみにされてることは?
監督:あ、僕も今日はタンパク質を摂ります(笑)
ハル:もう倒れないようにしっかり食べていただいて、また素敵な映画を届けてください!
監督:そのためには多くの人がこの映画を見てくれないと。映画界も厳しいんでね。次の仕事なくなるよ。
ハル:でも監督に以前インタビューさせていただいた時もそうおっしゃってました。
監督:あ、今もやってるね(笑)
散り椿を浴びましょう
ハル:岡田さん、今日感テレビをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
岡田さん:福岡の皆さん、ぜひ木村大作監督を浴びてください!劇場で待ってます!
ハル:勝手ながら同世代の星としてがんばる源にさせていただいてますので、これからもどんどん活躍していただいて、また福岡に来てくださいありがとうございました!!
P.S.
岡田さんにはこれまで、
- 木更津キャッツアイ・ワールドシリーズ
- 陰日向に咲く
- 図書館戦争
- 海賊と呼ばれた男
でインタビューをさせていただいたことがありました。この日、先に岡田さんがインタビュールームに入って来られました。まずはご挨拶。『今日インタビューをさせていただく今日感テレビのハ…』と名前を言い終わる前に岡田さんが『あれ?以前も?』と言ってくれたんです。ありがたきしあわせ♡
時代劇の枠に収まらない織り重なる愛の物語です。ぜひ劇場でご覧ください!
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