そんな噂を耳にしまして早速“VISAタッチ”で福岡市地下鉄に乗ってきました。
VISAのタッチ決済とは、VISAブランドのクレジットカードをカードリーダーにタッチさせるだけで支払える決済方法のことです。
手持ちのクレジットカードがVISAタッチに対応しているかをぜひチェックしてみてください。
- カードブランドがVISAであること
- タッチ決済マークがあること
この条件を満たしていればVISAのタッチ決済が使えます。
仮にタッチ決済対応マークがあったとしても、例えばMastarcardブランドのクレジットカードでVISAタッチを利用することはできません。ただしMastercardにも『Mastercardコンタクトレス』という名のタッチ決済サービスがあり、コストコなどのMastercard加盟店ではMastercardでタッチ決済を利用することができます。
でもね、カードをかざして乗るという動作に関しては、
- nimoca/ニモカ
- SUGOCA/スゴカ
- はやかけん
と変わらないわけで、真新しさはない。
僕が期待しているのは、
- EVERING
- スマートフォン
で乗れるんじゃないかという点です。
\エブリングはこんな指輪です/
EVERINGで乗れるのであれば“指輪をかざすだけ”で地下鉄に乗れることになるし、スマホでVISAタッチできれば財布からカードを取り出す必要もないし、事前チャージの手間・面倒からも解放されます。
モバイルSuica・モバイルPASMO以外のスマホ決済で公共交通機関に乗れるというのはなかなかエポックメイキングなことだと思うんです。
ではそのVISAタッチとやらで快適に乗ることはできたのか。
結果報告です。
もくじ
福岡市地下鉄
VISAタッチ本格導入
画像引用元:福岡市地下鉄
タッチ決済対応区間
実証実験開始時のタッチ決済対応駅は天神・福岡空港間+呉服町のわずか7駅でしたが、令和6年4月1日から全3路線36駅で本格導入されました。
決済ブランドもVISAに加え、JCB、AmericanExpress、DinersClub、DISCOVER、銀聯が対応。Mastercardは今後追加予定とアナウンスされています。
Mastercard以外のタッチ決済に対応したクレジットカード、またはApplePay、GooglePayで改札を通ることができます。
エブリングで
地下鉄に乗れるのか
※以下、2022年6月のチャレンジをまとめた内容です。情報が更新されている可能性がありますのでご注意ください。
結論|EVERINGでは乗れなかった
スマートリング『EVERING』はVISAのタッチ決済に対応しているので、実証実験中の福岡市地下鉄にも乗れちゃうのではないかと期待していました。
EVERINGは充電不要でオートチャージ対応。
指輪をかざすだけなので“スマホやApple WatchによるモバイルSuica決済”以上に手軽になるはず!と思っていたのですが、残念ながら改札を出ることができませんでした。
そもそも、
画像引用元:福岡市地下鉄
ウェアラブルに関してはGarmin Pay、Fitbit Payと明記されているので、EVERINGは対象外だったということなのかもしれません。
改札を通ることはできたが…
PASSと表示され改札オープン
でもね、改札は通れたんですよ。
初めは無反応だったんですが、決済機と距離が遠いと反応しない“EVERINGあるある”だと思ったので指輪の位置を調整したところ、“PASS”と表示され改札を通ることができました。
EVERINGは決済機に並行にかざさなければなりません。
セブンイレブンなど指輪位置を変えることなく決済できるお店もありますが、感度が弱い決済機だなと感じた時には写真のように第2関節に近づけることで決済できることはよくあります。
改札通過後、不思議な通知が…
アプリから不思議な通知が届いた時に星野源さんの『不思議』がちょうどかかっている不思議連鎖…
改札通過後にEVERINGアプリが決済失敗を通知してきたんです。
“残高不足ではないか”と問うてきたわけですが、ハイパーキャッシュレスメディアクリエイターの僕がそんな初歩的なミスをするわけないじゃないか君〜と心の中で思いましたよね。
まぁ改札は通れたし、まだ降りてないから半決済状態みたいなもんだろうし、降りる時に帳尻合わせるのかなーなんて呑気に考えていたのですが…
改札出られず…
何度かざしてもエラー表示。
さすがに自己解決不可能だと判断し駅員さんに相談。
駅員さんにおかれましてはVISAタッチという真新しいシステムを導入して間もない時に、
と摩訶不思議なことを言ってくる客が来て大変だったのではないかと思われますが、最後まで親切丁寧に対応してくださいました。
結果的には、
- EVERINGに改札通過情報は記録されている
- しかし決済しようとしてもできない
- カード会社に問い合わせるよう案内が表示された
と教えてくれました。
カード自体をかざしたわけではないのでカード会社に問い合わせてもなぁ…ということでひとまずエブリングに問い合わせてみました。
エブリングからの回答
改札にてご利用いただける/いただけないは事業者様側のシステムに依拠しております。 弊社としても現状、電車やバスでVisaのタッチ決済が導入されていたとしてもご利用はできない旨を発信させていただいております。大変申し訳ございませんが、ご利用を控えていただくことは可能でしょうか。
とのことでした…
利用できない旨を発信されていることを存じ上げなかったので、
EVERING 電車 バス
で検索してみたところ『使用できる店舗について』のページに、
電車・バスご乗車時のご利用につきましては、各運行会社の方針に委ねられている為、EVERINGとしてご利用の可否をご案内する事ができません。
と記載されていました。
そっかー…
そうだったんだー…
スマホのVISAカードで
地下鉄に乗れるのか
結論|Apple Payでは乗れました!
これは問題なく乗れました。
iPhoneのWalletアプリに登録しておいたVISAブランドのカードを利用。
すでにVISAカードを登録済みなら、
- サイドボタンをダブルクリック
- FaceID・指紋認証・パスコードのいずれかでロック解除
- カードリーダーにかざす
というプロセスでカードで決済できる状態にしておけば、改札を通過できます。
逆に決済可能状態にしていなかった場合、タッチ決済できるようになるまで改札を塞ぐ形になってしまう点には注意が必要です。
エクスプレスカードはFaceID・指紋認証・パスコードなしで決済できるようにする機能です。設定▶︎ウォレットとApple Pay▶︎エクスプレスカードの項目でVISAブランドのカードにチェックを入れておくと交通系ICと同様にかざすだけで決済できる可能性も。確認取れ次第追記します。
スマホでVISAタッチを使うメリット
既存の交通系電子マネーと比較したVISAタッチをスマホで使うメリットは、
- 物理的なカードを持たなくて良くなる
- 事前チャージ不要
- ポイントが貯まる?
などが挙げられます。
物理カードを持たないことによる財布のスリム化
VISAブランドのクレジットカードをVISAタッチのみで使うと決めた場合、
- Apple Pay
- Google Pay
- Garmin Pay
- Fitbit Pay
で使えるように登録しておけば、クレジットカード自体を持ち歩く必要はありません。
日本では1枚のカードでVISAタッチ以外にもQUICPayかiDを利用でき、それらの決済方法に対応した店舗はコンビニ・スーパー・ショッピングモール・家電量販店など多岐に渡ります。
お財布からカードを出さずに決済できる場面は増えています。
物理カードを持ち歩かないことで財布をスリム化できる人は多いのではないでしょうか。
物理カードを使わないことによる決済動作の簡略化
交通系ICカードをお財布に入れている場合、乗り降りするたびにバッグから財布を出して▶︎財布からカードを出して▶︎かざして▶︎財布に戻して▶︎財布をバッグに入れるというプロセスが発生します。
スマホでVISAタッチできるようにしておけば、スマホのロック解除▶︎かざして終了なので軽やかに改札を通過できます。
でもまぁ手帳型ケースやカードポケット付きのスマホケースに入れておけば物理カードでもタッチするだけの体制にはできますけどね。
事前チャージ不要
基本的に交通系ICはプリペイド型(前払い型)なのでチャージしてから使うことになります。
チャージするための現金を持ち、チャージできる場所に行き、ようやく交通系ICとして使えるようになります。
モバイルSuica・モバイルPASMOはいつでもアプリでチャージできますが、やはり事前チャージは必要です。
※クレジットnimocaはオートチャージに対応していますがチャージタイミングは改札通過時のみ。SUGOCAはオートチャージに対応しますが物理カードが必要です。
※モバイルSuica・モバイルPASMOにはオートチャージ機能がありますが、オートチャージ対応のクレジットカードが必要です。
VISAのタッチ決済はポストペイド型(後払い型)なのでチャージ不要、残額などを気にせず決済できます。
ポイントが貯まる
基本的に交通機関発行のクレジットカードでなければ、モバイルSuicaへのチャージにはポイントが付きません。
※Androidユーザーは楽天ペイSuicaチャージで0.5%、iPhoneユーザーは毎月エントリー後のモバイルSuicaチャージで0.5%付与。ただしいずれも楽天カードが必要です。
が!VISAのタッチ決済であればクレジットカードごとのポイントが付与されます。
今回僕は楽天プレミアムカード(VISA)でVISAタッチしましたが、楽天カードでモバイルSuicaアプリにチャージした時のポイント還元は0.5%、VISAタッチの還元率は1%です。
VISAのタッチ決済を使うデメリット
VISAのタッチ決済
常設化希望実現(追記)!
駅員さんによればVISAのタッチ決済利用者はまだまだ多くないようです。
福岡にはnimocaもSUGOCAもはやかけんもあるし、モバイルSuicaやモバイルPASMOをスマホで使っている人もいるだろうし、定期券ユーザーも多いはず。
便利に地下鉄に乗れている状況でわざわざ別の決済方法に変えるのって面倒ですよね。
その気持ちもわかります。
でも手元にVISAブランドのクレジットカードがあるなら、すでにVISAのタッチ決済を利用する準備はできているし、VISAタッチした方がお得です。
これは断言できます。
でも実際のところ、実証実験中の日本人利用者が多くなかったとしてもVISAタッチは導入されるんじゃないかと思っています。
コロナ収束後は海外からの観光客がたくさん訪れると思いますが、外国人観光客に優しいのがクレジットカードのタッチ決済なんですよね。
僕自身、イタリア旅行時にタッチ決済で列車に乗ったことがあり、語学力不要・現地通貨不要・切符を買わずに乗れる快適さを感じました。
2018年の時点でミラノの地下鉄はVISAタッチ対応。ミラノマルペンサ空港とミラノ中央駅を結ぶマルペンサ・エキスプレスはMastercardコンタクトレスに対応していました。
外国からの旅行者でも簡単に現地交通機関が使えるようになるのがクレジットカードのタッチ決済なので、インバウンド需要を期待したい福岡市としては導入する方向で動くのではないのかなと予想していますが、果たして…
それはさておき、日本人にとっても、地元の人にとってもメリットは多分にあるVISAタッチ決済地下鉄乗車、おすすめです。